まぐまぐ『ガラス玉遊戯』008サンプル  

 


□作品008「命の物語」について□

今回から、私が実際におこなっている作品の説明をしながら、ガラス玉
遊戯についてご紹介してまいります。

理論的な説明ばかりでは退屈かもしれない、と思ったことと、例えば、
音楽であれば実際の音楽なしに話を進めても意味がないように、ガラス
玉遊戯の実際で話を進めていかないと意味がないと思ったからです。

ところで、私は15歳から32歳まで、詩を書いていました。
いまも書きますが、真剣であったのはこの時期でした。
勉強会に参加し、日本詩人クラブ賞をおとりになった原子修先生に「天
性のシュールレアリスト」と呼んでいただいたこともありました。

詩を書いていて、小さな作品で比喩の実験を重ねてから、大きな作品に
取り組んだ方が、美的に良くなるのだと気づきました。

ガラス玉遊戯でも、同様の方法をとろうと思います。
これから数年の間は、小さな作品を重ねていって、後に大きな作品にと
りかかろうと考えています。

もっとも、インスピレーションが湧いてしょうがなくなったら、すぐに
でも取り掛かるかもしれませんけれども。

さて、作品008は以下になります。
http://glass-bead-game.potential-performers.com/sakuhin2/008.html

まず、図1です。
ガラス玉遊戯では可能性の可能性、つまり上位の可能性を扱います。
前回もお話ししましたが、ある事実Aについて、abcdef・・・と
いう可能性があるとし、そのうちのabcだけ表現されていたとします。
しかし、ガラス玉遊戯では、表現されていないdef・・・を前提に表
現を続けていっても良いのです。
それで、図1では、まったく表現されていない可能性abcdef・・
から表現を開始します、という宣言なのです。
今回の宣言では、三つの上位可能性にこのように注目しますよ、と矢印
がひいてありますね。加えて、文化的資産として「呼吸」の事実を利用
します、としています。
ヘッセの原作では、このような作業を「主導理念の提示」と、書かれて
いる部分です。

図2は、abc・・・のような下位可能性を見つけ始めたところです。

図3は、01〜04までの下位の可能性を含むような、上位の可能性で
ある三つで考えてみると、05〜07の下位の可能性を含む第二群の上
位の可能性群が考えられました、ということです。

図4では、考えられた可能性も、考えられなかった可能性も含めて、全
体としては何がキーになったかを示しています。
思考に入った多くの可能性が、思考をどこかの方向に後押ししてきます。
それを書き留めたものですね。
ガラス玉遊戯が知的財産につながるのは、この瞬間です。
可能性のつながりは、どこまでも続けていけるものですが、平均的解釈
によって、全体の重心がどこにあるかを示す、とも言えます。

作品では言葉にしていませんが、今回の創作で感じたことに、次のよう
なことがあります。

ウイルスから人間の細胞にいたるまで、生命には共通項があります。
また、自然のなかにも、空気や水など、生命を維持している共通項があ
ります。
生命が互いに干渉しあえるのは、この二つの共通項があるからで、それ
を否定的に解釈するか、肯定的に解釈するかは、主観的なことですが、
この主観的なところの決定により、世界は全く異なって見えてきます。

それでは、また、次回に。


  

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