Kugelについて 

 

普遍的可能性(ガラス玉あるいは狭義のKugel)と表現と特殊的可能性を扱う方法を(広義の)Kugelと呼ぶ。
Kugelの特徴をいくつか紹介する。

同等に評価するといのであれば円が、グループのなかで内容の数が決まっているのであれば多角形が、
対比のセットがある場合は四角形を代表とするものが、図式表現の「表現」の部に用いることができるであろう。
もちろん、「表現」についての規則は、固定されたものではない。
図1で、青玉と赤玉は、図式の表現の部と、採用する音楽などの表現とを、一致させるための工夫として用意した。
作品005では、主旋律と副旋律とで、ある時点で形成された和音の関係が、
後の時点で反転する場合を「反」、反転しない場合を「同」、異なった関係に受け取られる場合を「異」として、
円なり多角形なりでグループ分けする。

作品001では、表現と可能性との円が、特殊的可能性を中心として描かれていたが、
表現は自由に創造されるため、ある表現群と該当する特殊的可能性とは、中心を一つにしなくてもかまわない。
特殊的可能性が中心を異にするとは、特殊的可能性が普遍的可能性とセットになっていることから、
普遍的可能性も中心を異にすることも、同様に意味している。
中心を異にする場合、いかなる過程が普遍的可能性と表現の間に残っているかを、明示する。
これは表現は主観的に自由であるため、クリエイターには可能なことである。
図2では赤い普遍的可能性には「移行」が残され、青い普遍的可能性には移行の「時」が残されている
ことが示されている。

図3aは、ガラス玉遊戯はガラス玉を表現の方法とする芸術であるので、
図式の表現部の内容とガラス玉(普遍的可能性)との関係を利用し、
複数のガラス玉を自由に関係づけられることを意味している。
図3bは複数の表現群が何らかの過程をとおして関連づけられることを意味している。

  

Kugelの線図ないし普遍的可能性は、全体で破綻が生じなければ、
どのように用いてもよい。

本サイトで用いている「Kugel」という手法名は、書「ガラス玉遊戯」で
「初期のガラス玉遊戯はKugelrechtmachine(球の計算機)の上に
音楽のモチーフをならべておこなわれ、ガラス玉をその象徴とした」
という内容に由来する。

Kugelは、表現と普遍的可能性との関係のみにとどまらない。
特殊的可能性にも、その他にも利用される。

なお、井手賁夫訳でも高橋健二訳でも、Kugelrechtmachineは
「子供用の簡単な計算器」となっている。
現実にガラス玉遊戯が無かった時代に人々に伝えるものとしてではなく、
ガラス玉遊戯の実施から得られる全てのものを利用して、ヘッセの書は
新しく書き直されるべきだろう。その際も当然、美しくなければならない。

2004年11月7日

 

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