ガラス玉遊戯の概略

ガラス玉遊戯の定義、可能の背景、芸術である資格、方法の案内について説明いたします。


1.ガラス玉遊戯の定義

ガラス玉遊戯は、ヘルマン・ヘッセが小説「ガラス玉遊戯」で提案した、

全ての文化的資産を用いておこなう理性の芸術です。

全ての文化的資産を扱う一般的な方法を用いることにより、

普遍的な原因があるという感覚を得られます。

世界にある物事が、普遍的な原因でとらえられるという感覚により、

美の快感が起こります。

習慣的な活動から解放される手段が見つかり、

人間に可能な成果に活動が導かれていきます。

人間に可能な成果に活動が導かれることで、人間の奇跡が経験されます。

 

2.可能の背景

全ての文化的資産を用いる一般的な方法は、客観的必然性ではなく、

主観的妥当性によって成り立ちます。

客観的必然性は物事の原因を客観的に現しますが、

主観的妥当性は物事の原因を主観的に現します。

可能性は主観的妥当性において用いられる、人間の能力です。

可能性を利用し、人間は物事の原因を主観的に扱えます。

全ての文化的資産から思考の形式を得、可能性を現すのに利用できます。

ある可能性と関連する他の可能性を、人間は見つけることができます。

この時、複数の可能性に、主観的に同一の原因が想定されます。

ある可能性を示す文化的資産と、他の可能性を示す文化的資産は、

可能性においては同一の原因が前提されえます。

 

3.芸術の資格

芸術では、ある表現から他の表現に至る過程で、

自分を超越的な立場におく理由が見いだされることで、快感が生まれます。

ある表現を目的として活動したとき、他の表現が関連して見いだされるとき、

この他の表現には合目的性が成り立っています。

合目的性は人間の能力であり、

芸術は合目的性という人間の能力によって成り立っています。

人間は対象に合目的性をおよぼすことができます。

目的が成立するとき、理由が前提されます。

芸術による快感は、自分自身にさまざまな理由を前提するよう、

目的を見いだせる人間の能力によって、成り立ちます。

理由とは、現象においては、原因です。

理性の芸術の対象とは、原因そのものです。

 

4.方法の案内

ある文化的資産を用いて、可能性(仮に可能性aとする)を生み出します。

可能性aと同じ原因を持つ複数の可能性がある場合、

この原因は普遍性の高い原因(仮に原因Aとする)とみなすことができます。

ある可能性bにあらかじめ普遍性の高い原因Bを前提し、

全ての文化的資産を検証することで、

原因Bを満足させる他の可能性を見つけられる場合、

原因Bを普遍的と前提した行為は正しかったと言えます。

可能性aを見いだした時、原因Aを見つけ、

あらかじめ原因Aに関連づけて原因Bを前提し、

原因Bが正しいことを見つけられたとき、

原因Aと原因Bとを包括するより上位の原因があると感じることができます。

今後、原因ABCD・・・は上位の原因が顕現したものとみなします。

原因Aを十分に現す可能性を、普遍的可能性Aと呼ぶことにします。

同様に原因Bを十分に現す可能性を、普遍的可能性Bと呼ぶことにします。

普遍的可能性をガラス玉で扱うこととします。

普遍的可能性はいくつ用いてもかまいません。

また、普遍的可能性を相互にどのように関係づけてもかまいません。

普遍的可能性を現すことによって要求される現実は、

可能性を現す文化的資産を見いだすことにより、確認されます。

 

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